ネコ。

教訓:沈黙が寛容とは限らない

2007年02月08日(Thu)
ネコ。
ネコがいた。


いつも近所の駐車場でひなたぼっこしていた。


『いつも』というのは、まさしく『いつも』であり、周りがどんなに騒がしくてもいつも同じ場所でひなたぼっこしていた。


ネコと一緒に、少年がいた。


少年はいつも一人だった。


『いつも』というのは、まさしく『いつも』であり、少年には心から家族と呼べる人が存在しなかった。


だから、ネコと一緒にいた。


ネコは何も語りかけてこない。でも少年を追い返すわけでもない。


少年は、ネコに憧れのようなものを抱いていた。


「きっとこのネコはボクと同じなんだ」


「このネコはボクの気持ちを分かってくれる」


少年は、ネコと自分との信頼関係を感じていた。


ある日。少年は家を飛び出した。誰のことも信用できなかった。


少年はいつものネコのもとに走った。


「あのネコなら、今のボクの気持ちを分かってくれる」


少年は信じていた。


ただそばにいてくれる。それだけでよかった。ネコがいてくれるだけでよかった。


少年が駐車場に着いたとき。大きなトラックが飛び出してきた。


いや、飛び出したのは少年の方だったかもしれない。少年は道路に叩きつけられた。


周りが騒がしくなる中、少年はネコを探した。


ネコはいつもの場所にいた。


あくびをして、ひなたぼっこをしていた。


少年は唖然とした。


気を失う刹那、少年は自分がネコにとってはなんでもないことに気付かされた・・・


ネコがいた。


いつも近所の駐車場でひなたぼっこしていた。


『いつも』の少年はいない。


ネコは大きく伸びをして、またまるくなった。


   


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カレンダ
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